Ryokanmae Ikesu
旅館前 生け簀
岩海岸の絶景を望む最高の立地で、改修を頼まれたのは生け簀小屋だった。
担当
真鶴設計室
かつての町の思い出が詰まった場所
駄菓子屋ウオキヨの改修を終えるころ、私達の活動を見てくれた方が新たな物件改修の依頼をしてくれた。
案内されて訪れたその場所は岩海岸の絶景を望む最高の立地に立つ旅館だった。
かつては真鶴で獲れた新鮮な魚介を用いた料理が自慢で、内外から多くの利用があった人気店だったが、パンデミックの影響を受け、惜しまれながら暖簾を下した旅館だそうだ。町の方々の思い出が詰まった場所をこのまま閉ざした場所にするのは惜しい。そのような思いもあり、空き家になっていた旅館を購入した今回の施主さんが私達に声をかけてくれた。

外観
改修するのは、生け簀、、、?
旅館の入り口手前には小さな小屋が見えた。今回まず改修を頼まれたのはその小屋だった。
昔は生け簀だったというその小屋の中を覗いてみるとそこにはタイル張りの堀(生け簀)があり、半分雨ざらしのその生け簀に溜まった枯葉や、細かい枝が、もう長くこの生け簀が使われていないことを物語ると同時に、昔はこの生け簀いっぱいに魚を泳がせるほど旅館がにぎわっていたことを想起させた。
ただの生け簀にしては豪華だが、かつての旅館の利用者はきっとここに生かされていた魚を見るのを楽しみにしていただろう。
そんな場所を、今回のプロジェクトでもう一度町の方々が気軽に立ち寄れる憩いの場として開放することに決めた。

いけす内観