DAIROKU KITCHEN
ダイロクキッチン
誰でも使えるシェアキッチン。様々なシチュエーションでコミュニケーションが生まれる。
担当
稲取設計室
稲取のコミュニティ
ダイロクキッチンのもともとは東伊豆町の消防団の倉庫であった。しかし、使われずに空き家となっていたその倉庫を2015年から2017年までの3年間を通して改修した。
東日本大震災以降、地域全体、コミュニティとして住民同士のコンタクトが被災地に限らず注目され始めた。当時、東伊豆町には地元住民が気軽に集まることが出来るような場所がなく、街の人たちの関わりが薄れつつあることが問題視されていた。また、高齢化、過疎化などの問題に伴い空き家、空き倉庫が町中に目立ち始めていた。そこで、使用されなくなってしまった空き倉庫にシェアキッチンを導入し改修することで、地域コミュニティの場をつくることを目的とした。
また、東伊豆町稲取に訪れる方は温泉と一緒に稲取の食にも興味を持つ方が多い。そこで訪れてくれた方々が稲取特産の食材、料理を堪能できる場を地域の方々が自ら提供できる、そのようなシチュエーションを想定してこの物件に取り組んだ。
我々は空き家を改修することを目標とするのではなく、その後の運用を通じたコミュニティを創出していくことを長期的な目標に設定した。
多くの人と一緒に
ダイロクキッチンの中の家具は使われなくなったパレットを使用している。そのパレットの配置計画は実際に現場に置いてみて実寸のスケールで街の方々と検討した。
また芝浦祭では1/10の模型を使い子供たちに配置を考えてもらうワークショップを通して私たちの活動を衆知させたりした。
2017年の11月にオープンして現在まで多くの人に利用されてきている。現在、ダイロクの中はパレットを用いた中央に大テーブルが配置されていて大勢でそのテーブル囲みながら食事をとることができる。
私たちは稲取に訪問した際、みんなで自炊してパレットテーブルを囲んで夕飯を食べている。先輩方がプロジェクトで作り上げたものを私たち自ら活用している。街の人たちもお店を開いたり、コミュニケーションが生まれる場としてダイロクキッチンを活用してもらっている。