建築学生による地域活性化団体

空き家改修プロジェクト

学生による地域活性化団体
空き家改修プロジェクト

IZU AGEMONO STAND

IZU AGEMONO STAND

「食・モノ・空間」のpickをテーマに温泉場の空き家を改修して一から揚げ物屋をつくる。

稲取での今までの活動が生んだ機会

学生のこれまでのまちでの活動実績を受けて、温泉旅館・石花海のオーナーから改修依頼をいただいた。コロナ渦により衰退した稲取の温泉場を再び盛り上げたいという思いと共に、今回、初の民間プロジェクトが立ち上がった。
稲取での活動は9年目、改修は5軒目の物件となった。

テーマは「pick」

プロジェクトテーマは、まちの魅力(食・モノ・空間)を見つけて取り上げようということで「pick」に決定。このテーマには、モノや地元観光客が店舗に集まって、出会って、現地に訪れる循環をつくるという意味も含まれている。

1年で店舗をつくる

2022年4月、物件に訪れてまず、解体と清掃、実測を行った。この時期は設計途中であり、実際に建物を見ないとわからないことも多かったため現場では慎重に作業を進めた。実測が一通り終わると夏の施工に向けて設計を本格的に進めた。この時期に重きを置いたのはこの物件における代表的なデザインをどうするかということで、事例調査から始まり何度も話し合った結果、門型フレームを取り入れることにした。

フレームには訪れた人を奥へいざなう効果があり、実際の施工の際には柱の構造や間隔は圧迫感を無くすため、ベストな形をモックアップをつくりながら何度も検討した。夏は2度の訪問を行い、設計していた寸法と実際のものが合わずに現場で合わせることも多々あり、予定通りいかず、施工の難しさを痛感させられた。

毎訪問終わるたびにすべきことの達成と現場で新たな課題が見つかることの繰り返しで、11月訪問後、予定にはなかった12月、1月、2月の頭に短期訪問を行い、2023年2/18の竣工に間に合わせることができた。この工期延長には、飲食店として成立させるために設備も追加で配慮する必要があったことも関係している。このような建築におけるハードな面の思考にかなりの時間を費やした。

これに加え、上記で話した通り、クライアントの意向により店舗作りも学生に任され、店舗としてどのように成立するかのソフトな面も考えた。

細部までこだわり抜いた内装・デザイン

8・9月の訪問から本格的に施工が始まり、まず「壁紙剥がし・床タイル剥がし」を行い既存のものを取った後、「壁下地・聚楽塗り・床地塗り」でアゲスタの雰囲気の基盤をつくった。さらに、老朽化し使えなくなった「キッチンの解体」、物件のトレードマークである「門型フレームの設置」を行った。

11月には、「キッチンの裏の石膏ボード張り直しとクロス貼り・床ペンキ塗り・裏の壁板塗り・裏のコンクリート処理」を行い、老朽化してしまっていたキッチン周りを新しくすることでアゲスタの雰囲気に合った内装にし、さらに衛生面も考慮した施工をした。また、「小上がり壁張り・ペンキ塗り・自立フレーム作り」を行い、お客さんの飲食スペースを小上がりとフレームで空間的に隔離することで居心地の良い場をつくった。

12・1・2月には、「食器棚の新設・バックヤードの施工・ウエスタンドアの取り付け・レジカウンターの新設・暖房部分の壁面施工」といった、キッチン周りの施工を行った。食器棚やウエスタンドア、レジカウンターなどは担当のメンバーが設計し、細かなデザインにこだわり、現場で微調整を繰り返して製作した。このほかにも「入り口の壁のパテ塗り・小上がりに置くための家具作り」など仕上げの作業を行った。机作りではまちの使われなくなった机を半分に切断して、やすり、足をつけて色を塗ることで、利用者の人数に応じて組み換え可能なものを作った。

物件のBefor After

Before
After
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おもひで

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