SETOSHUZO
瀬戸酒造
神奈川県開成町の酒造である瀬戸酒造を改修する
担当
開成設計室
空き家から「一畳酒場」誕生まで
瀬戸酒造の新たな居場所として、庭の景色を楽しみつつ、日本酒を楽しめる場所を作る。
さらに、酒造の雰囲気やお酒を「見て」「聞いて」「触れて」「味わって」「感じて」もらい、購買意欲を促進させる。
そこで、日本酒の酒瓶を段ボールへ梱包する作業場として使われていた和室の一畳を掘りごたつのように改築し日本酒を味わう角打ちとし、畳を元に戻せば中は収納に、と+αを持ち合わせた「一畳酒場」へ再生することを活動目的とした。
作業台作成
作業場だった和室を開け土間で作業をすることとしたため、作業台が必要となった。
作業台を4台作成し、それぞれ段ボールをストックする台、梱包台、配送業者へ受け渡し台と役割を分け、作業台を土間に置いた。土間に置いたことにより靴の脱ぎ履きすることなく梱包ができるようになり、作業の効率の向上に繋がった。
作業場の天井と床の張替え
経年劣化の著しい天井と床の張替えは必須課題であり、天井は解体し新たな天井材を張り、床は既存の床に新たな床材を張り強度を上げることとし、今後も長く使えるように改修した。
和室の改修
もとの和室の一畳分の畳を取り外し、床板を切り抜き、切り抜いた周囲を座れるように補強し、床面にモルタルを流し固める。
切り抜いた端はやすりをかけ、ニスを塗り、座った人がけがをしないようにする。
その上に机を掛け、酒場としてだけでなく軽食も取れるような場所とする。
オブジェ施工
瀬戸酒造にもともとあった酒瓶のオブジェを利用し、さび落とし、色の塗直し、新たに升のオブジェを作った。
組み立てて設置し、升はセメントで固定、酒瓶のオブジェはワイヤーで固定し安全性を高めた。
太陽光発電で自動点灯するライトも設置し、昼夜問わず瀬戸酒造が一目でわかるシンボル的なオブジェに生まれ変わることができた。
酒造看板作成
酒造の廃材を用いて、急遽作成したものである。
大学で型は作成していたが、手作業での彫刻にはかなりの時間を費やした。
その甲斐あって目にした人からは、手作業とは思えないクオリティーの高さと高評価を頂き、印象に残る施工の一つである。
作業棚施工
物置となっていた玄関に隣接する一室をお酒を梱包するための作業場とするため、床板の補強と併せて作業棚を作る。
作業棚は、作業を行う方のお話を伺いながら作成したので、棚の高さや位置を細かく調整することができた。
安全を考慮し表面と角には入念に電動やすりをかけている。
暖簾施工
瀬戸酒造の玄関と門の二か所に一畳酒場をイメージしたロゴを入れた暖簾を提案した。
ロゴ提案から施工方法まで、様々なスタディを行い、最終的に和を連想させる朱色を基調とした暖簾に、升と酒瓶、そして漢字で「一畳酒場」と入れるデザインとなった。