建築学生による地域活性化団体

空き家改修プロジェクト

学生による地域活性化団体
空き家改修プロジェクト

Ishii Noen Hanare

石井農園 離れ

三浦と出会える場所を。ここでしか味わえない出会い、つながり。

はじまり

本プロジェクトの施主である石井さんは農業を営んでおり、緑と海が豊かな三浦で大根やキャベツなど様々な露地野菜を栽培している。しかし、常に人手不足という問題を抱えており、石井さん宅の離れを改修し、農作業の手伝いに来る方々を対象とした宿泊場所を作りたいという思いからSNSを通じた空き家改修プロジェクトへの依頼から本プロジェクトが始まった。
本物件は、1階の大部分が屋外農業スペースとなっており、その残りの部分が屋内スペースとなっている。その中にはお風呂場やキッチンなどがあり改修することで団らんスペースとして利用できる空間がある。

ゲストハウスの設計

私たちは「三浦と出会える場所」をコンセプトとして、三浦の農家さんとしかできない「出会い」や「つながり」を感じてもらえるような空間づくりを目指して設計している。三浦ならではのものを用いることで、三浦との出会いの実現を体感してもらおうと考えている。
現在、私たちはお風呂場、お風呂場以外(主にリビング)、家具の3つのグループに分かれて設計を進めている。
お風呂場の設計では、使用しなくなった浴槽の棚としてのリデザインや可動式のカーテンの設置により、風呂場を脱衣所とシャワールームに分けることで用途の拡大を目指している。設計から左官工事に至るまで幅広い建築知識が求められる。
リビングでは限られたスペースを最大限利用するため、天井部分に格子状の木材を設置し、階段横の壁を一部撤去することで鉛直、水平方向の拡大と利便性の向上を目指している。私たちは、広く感じる空間づくりを目指して設計を進めた。

お風呂場の設計

浴室の設計は、意匠的な外観というよりも、浴室を利用するための機能性を重視した設計を行なった。地元の現場監督の方や、施主の方と相談を繰り返し、防水性を重視した施工内容とした。内壁は既存の仕上げ材料を撤去し、モルタル下地の再施工を行ったのち、長尺シートを施工することにより、長期の利用を見越した機能性を確保した。また、天井、内壁の一部は、フラットでない複雑な形状であったため、形状に柔軟に対応できるウレタン防水を採用し、防水施工とした。

リビングの設計

離れを農業のお手伝いに来た人のためのゲストハウスに改装するという依頼である。三浦に来たゲストに、三浦らしさを感じながら生活してほしいという要望があった。
一階部分は6畳物の物置となっており、その部屋を主にゲストが衣食の時間を過ごす場所とするためキッチン、食器棚、クローゼット、その他家電を備える必要がある。6畳というやや手狭なこの空間を広く活用するために、壁面と天井に工夫を凝らした。
天井面は格子をかけ、物干竿になったりものを上から吊り下げる。壁面においては階段側の壁面を抜いて空間を広く見せるとともに階段下を大容量の収納空間とする。モノの置き場所を壁面天井面に多く設えることによって生活に必要な利便性を備えると同時に三浦らしいものを置くスペースを既存空間を使いこなしながら生むことができる。

キッチンの設計

キッチンの設計では、強度や施工のしやすさを考慮してアルミフレームを使用したシンクを作成した。強度と見た目の良さからパイン材を使用し、アルミフレームは黒の塗装を施した。既存のシンクについていたアルミ壁を剥がし、青い壁紙に変えるなど全体的に三浦の良さである海をイメージして色や素材を決めた。


キッチンの作業風景

木材をヤスリがけし、塗装が浸透しやすいようにした。
 
 

アルミフレームに下地のスプレーを塗装。
 
 

それと平行でパイン材にオイルステインの塗装を行った。
これは乾かすのに時間がかかるため時間と日数がだいぶかかった。
 
 

アルミフレームを黒く塗ったあと、部分ごとに立ち上げていく。
 
 

そして、全体的にアルミフレームを組みたてる。
 
 

強度が想定よりも低かったため追加でジョイントを購入し、スプレーがけしたものを乾かしている様子。
 
 

塗装し終わったパイン材とアルミフレームをインパクトでビス打ちをし、固定し終わった様子。
 
 

同時に施工していたキッチン壁とシンクが完成した様子。

おもひで

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